「赤木ファイル」削除不明部分

 森友決裁文書、改ざん問題に関する「赤木ファイル」。

 今朝モーニングショーを最後の15分間だけ見ていたが、出演者のコメントが立花隆の話に流れてしまい、うやむやにしているように見えた。もっというならたいへん「歯切れが悪い」。
 あの「赤木ファイル」からは今後も何も出てきはすまい。
 ただ赤木氏が書き換えを拒んだのであれば、決裁文書そのものになんの問題もなく、取引自体も実は、なんの問題もなかったのではなかったかと思う。
 私が一番不思議に思うのは、取引の必要のない部分まで削除されてしまっていること
 あの森友問題の報道がなされた後で、あの部分が消されてしまうと、逆にそれが表ざたになった時に安倍前首相が不利になってしまう。
 取引自体はこうだった。


 当時該当の土地から新たにゴミが出てきた。
 学校は建設に取り掛かっており、開校時期も既に告知されていて、ごみの撤去で遅れると訴訟問題になりかねなかった。
 当時あの土地の所有者であった航空局は売却した他の土地での土壌汚染訴訟をいくつも抱えており、これ以上の訴訟問題を増やしたくなかった。

 上記の理由により、当初土地は賃貸契約を結んでいたが、値引きによる売却を森友側が持ちかけた。

 双方合意の上、大幅に値引きをする代わりにたとえその後土地に瑕疵が出てきても一切元の持ち主に責任を問わないという、瑕疵担保責任免除特約をつけての売却の運びとなった。

 この航空局が当時、多くの訴訟を抱えていたというのを、森友側がどうやって手に入れたかは知らぬが、「まだゴミがある」「訴訟を抱えている」、故に値引き、というのは相当有効な取引手段で、つまりは森友側の駆け引きの勝利であった。にもかかわらず、この取引をわかっていたのか、知って知らないふりをしたのか、朝日新聞が、書き立てて騒ぎ始めた、これがこの事件の発端だった。
 朝日新聞へのリークはどこがしたんでしたっけ。当時の加計学園とともに、どちらも学校が関わっているので、私は勝手に天下りを阻止された文科省役人が仕掛けたのだと思っていた。
 この改ざん自体のリークは検察がしたと言われており、この後に起こる検察庁に関わるいざこざで、ああなるほど、安倍政権をつぶしたい人たちがここにもいたのか、というのがよくわかった。


 問題が発覚するや、佐川氏がシラを切った。
 次に向かうべきは改ざんを指示した本人と改ざんをした本人かと思われるが、赤木氏は即座に自殺されてしまった。
 今でも前半の、値引きではなく、賃貸契約にあたってのいきさつを部分抜き出しでテレビで出されるが、あの部分は政治家たちが財務省に働きかけたと書いているだけであって、それ以上でもそれ以下でもなんでもない。むしろ、役所に対して自分たちが何等かの特別措置をしてもらう場合は、「そこまでしたなら」と他も納得するほどとてつもない働きかけをして、やっと動く、これが行政だと以前法律を勉強していた時に習ったことがある。一度や二度じゃダメ。一人や二人じゃダメ。故に森友側のあの並々ならぬ政治家への申し入れや働きかけは、決裁文書に書いて当然だし、役人も書かなければいけない。ある意味あれが、賃貸契約へとこぎつけさせた森友側の「努力の跡」なのだ。消してはいけない。
 安倍氏の答弁を見る限り、桜を見る会前夜祭の会費の集め方がわかっていなかったと同様、決裁文書の存在自体を本人が知らなかったと思われる。かつてどこかで書いたことがあったが、こういうものを知っていたのは役人出身の政治家ぐらいではあるまいか。政治家の事務所であそこまで丁寧にいきさつを残すことはない。
 それを「ない」と言ったのは佐川氏で、直後に削除の指示が入った。
 つまり改ざんは、佐川氏をはじめとする財務省内部の問題であって、多くの名誉校長を受けている安倍氏夫人がもう一つ名誉校長を受けていたとか、そのために尽力したとか、多くの政治家が陳情に関わったからといって、改ざん問題に政治家を絡ませるのはかなり厳しい話。

 ここからは私見であるけれども、赤木氏が自殺したのは、籠池氏のようなマスコミの標的になるのを恐れたのが最大の理由ではあるまいか。もし決裁文書が書き換えられず佐川氏が「ある」と言ったところで、悪意を持って報道する側が、かいつまみ、間違えて、肝心なところは理解せずに報道すると、やはり赤木氏と「ありもしない政治家との癒着」でひどいマスコミの追及にさらされたのは想像に難くない。
 ちなみに売却と値引きの経緯(かけひき)はうやむやにされたまま、なぜ大幅値引きされたのかを知らない国民は多く、未だに「忖度」だと思っている。なぜか。報道する側が誰も訂正していないからだ。
 問題は、佐川氏がなぜ「ない」と言ったのか。その理由も、上と同じだと思うけど。つまり「悪意を持って報道する側が」の一文の「赤木氏」の部分をそれぞれに置き換える。ないものをあることにされてしまう。現に今朝も「かいつまみ」は、安倍昭恵氏の決裁文書の部分引用と、安倍の国会答弁の映像を使ってやっていたし。
 
 あの森友学園の土地というのは、そもそもが軟弱地盤で、高層ビルは建てられない。もっというならあまり重いものは建設できない。利便性と言う意味ではいい土地だけれど、裏が高速道路なので民家を建てるのもどうかという場所。小学校などを作るのが最適だったようにも思う。次が公園。
 巨大な建物を建てるためには、ゴミ撤去のための掘削と地盤補強にたいへん手間がかかり、しかも現状小学校の建物が建っている上に、いわくつきの土地になってしまったので、はっきりいって不良債権以外の何物でもなくなってしまった。
 この国民にもたらされた「負の財産」の責任は誰がとるべきか。
 私はよく調査もせずにスクープ報道した、報道機関にあるのではないかと思う。あの土地建物ごと、買い取って、小学校を再開してもらってはいかがか。籠池氏などは訴訟を起こす権利はあると思うのだが、もはやその財産さえ失われた感はある。

 開校までの道のりで、補助金詐欺とかで逮捕されたけど、あれも道の途中なんだからあの程度の瑕疵はありじゃないのかね。裁判官までマスコミに「忖度」しているのかしらん。
 マスコミも間違えたって絶対間違えたと報道しないし、認めたところで「ちいさく」謝罪文出すだけなんだから、せめてスクープする前にもっと調査したらどうなんだろう。
 また人一人死んだんだよ、マスコミのせいで。
 今第二の「立花隆」が出てきたら、切るべき巨悪は政治家よりも、マスコミと官僚ではあるまいか。いやむしろ、ネットでさんざん切られているから、ことごとく歯切れが悪くなって、番組自体どれもつまらなくなっているのかもしれぬ。